アサヒグローバルホーム(株)の悩み!!

それは『人材の劣化』です。社員さんの人数は居るのですが、一人前に仕事のできる人が人数の半分くらいしか居ないのです。ですから仕事の負担が一部の仕事のできる人達に集中してしまって、その人達だけが一般の社員さんの2倍近い仕事量になってしまっています。もうそろそろ体力と気力の限界ではないでしょうか…。申し訳ないことです。
どうしてこんな会社になってしまったのでしょうか。その理由の①は、10年前20年前は凄く良く働く社風は今と変わりませんが、厳しい上司などもたくさん居て、部下はバンバン叱られて仕事を覚えていました。ですから一人前になるのも早かったのですが、今は厳しい上司が居なくなってしまいました。グループの別の会社の役員や部長になってしまって、アサヒグローバルホームの中に厳しく指導をする優秀な上司の数が半分になってしまったのです。ですから新入社員や2・3年生社員や中途採用の社員がずっと半人前のままで、いつまでたっても一人前の仕事ができない人材になってしまっています。
第②の理由は、当社はずっと新卒の学生を採用し続けて、社内で時間をかけて教育して育成するのが会社の方針でした。それがどうも今の社会の動向に合わなくなってきていると私は感じています。それは学生さんが今の『ゆとり教育』の中で『ゆったりと』教育されているせいなのか、横並び一線になってしまって、リーダー的人材や尖った個性をもった人材が居なくなってしまいました。ですからその人達が会社に入社して仕事をする場合も以前の新入社員とは全然違います。一言で言ってなかなか『一人前のプロ』にはならないのです。
ということでこれからは新入社員の人数を少なくして、一人前に仕事のできる中途採用を中心に採用して育成したいと考えています。日本の大企業でも今は退社する人が多くなり、人材の流動化が加速しています。アメリカほどではないとしても、これからは日本でも会社を転職する人がどんどん増えそうです。ビズリーチさんなどの転職サイトに登録する人がもの凄く多くなっているのも、日本の将来を暗示しています。当社もずっと新卒社員の採用に力を入れていましたが、これからは中途のプロ社員の採用に力を入れたいと思います。
③次の大きな問題はこれだけ多くの半人前社員をどう教育して育成して一人前のプロ社員にするかです。そしてその上司もどう部下を教育、指導をすれば早く一人前の社員に育てられるのかです。これは半人前の社員さんの問題ではありますが、上司や会社としての責任が大変に重要です。
一つのポイントは、今の若い人達は学校でも家庭でも社会でも厳しく叱られたことがありません。会社の上司も厳しくしたり、大きな声で注意したりすることが『大人げない』『みっともない』行為だと今は考えられています。パワーハラスメントの社会的問題もありますから、会社の中で叱る行為を行なっている人はほとんど居なくなってしまいました。しかしそれは私は何かおかしいと感じています。
当然パワハラはしてはいけません。しかしその人の成長のために真剣に注意したり叱ったり、そして誉めたり、なぐさめたり、上司はすべきことです。情熱を持って部下を育てることは悪いことではありません。しかし叱られた経験のない若い人達はびっくりしてしまって会社を辞める。辞めさせてはいけないので叱ることを止める。この悪循環がどうも今の当社の現状ではないでしょうか。
そこで私の結論は一つです。私は社員さんをよく叱る典型的な上司なのですが、絶対に感情ではなく『論理的』に厳しく叱ります。ですから私に叱られても社員さんは会社を辞めないのです。まあこれが大切なことで『論理的』に正しく叱って人を成長させるしか方法はないと考えています。上司は叱って教育してください。

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