業績良くて50点、継承できて100点。

 タナベ経営の創業者の『田辺昇一先生』のお言葉です。事業というものは次の世代に継承することがもの凄く難しいんですよ、というお話でした。私も今つくづくそう感じています。4年前に4つの会社、アサヒグローバルホーム(株)ゴールドトラスト(株)ゴールドエイジ(株)スマイシアホールディング(株)を4人の社長に引き継ぎました。そして4年間で20億円以上のお金を無くしてしまいました。
 やはり事業継承というものは苦しいものです。まあこの20億円は新人社長の授業料だと考えてはいますが、もうそろそろ会社の経営を分かってもらって、利益を残してもらいたいものです。20億円は事業継承の費用だと私は割り切ってはいるのですが、これがあと1年も2年も続くようなら、また私がこの4つの会社の社長に戻るしかありません。そうならないことを願っています。
 4つほど大きな理由があるのですが、①は私が今までそもそもやり過ぎていたので、この4人の社長達は自分で考えて、自分で実行することが少なかったのでしょうか。どうしても私の指示に従うことが多くなってしまっていたようです。あとは経験のない社長に若くしてなってしまったので、ただ今社長としてのお勉強中ということです。しかし20億円は授業料としては少々お高い出費となっております。
 ②は、やはりこの3年近く続く『コロナパンデミック』でしょうか。当然当社の2棟のホテル事業は赤字ですし、2,000室ある高齢者の入居を規制していますので売上減。あとはコロナ対策にPCR検査機を3台所有して、1ヶ月に3,000検体の検査をしています。陽性患者が出たり、クラスターが発生しますので、介護が仕事なのにコロナ患者の看護と治療が最優先になっています。これらの収入はゼロですし、PCR検査費用や社員さんの時間外労働に多額の費用がかかりました。
 ③つ目は『ウッドショック』です。建築材料が多額高騰しました。住宅ですと契約してから完成まで8ヶ月くらい、マンションや大型の高齢者住宅ですと契約してから1年半くらいかかります。その間に資材が高騰するのですが、契約金額は変更できません。10億円程の赤字の出費は当社が負担するしかありませんね。多額のマイナスです。今は海外の資材は下がり始めましたが、日本国内はまだ値上がりを続けています。高く仕入れた在庫を売り切るまでは、メーカーさんは値上げを続けています。
 ④『ウクライナショック』で電気代が30%値上がりしています。ゴールドエイジだけで年間3,000万円の値上がりです。あとまた30%の値上げになるらしいのですが、食料品やガソリン代、ガス代もどんどん上がっています。だから今は住宅を建てたいと思うお客様が激減してしまいました。当然ですね。これから全て値上げになってインフレが加速している中で家を買いたいと思う人はいませんよね。
 はいはい、全て愚痴言い訳です。しかし経営というものはどんな状態であっても、成績を上げなくてはいけません。それができないと経営者は失格です。4人の社長も今どん底の苦しみの中にいるのでしょう。しかし社長であれば乗り越えるしかありません。私は手を出したくてウズウズしているのですが、今は社長に任せて見守るしかありません。高い『事業継承費』になりますが、社長達には自力で乗り切ってもらいたいものです。
 誰よりも誰よりも私が一番それを望んでいます。もう少し様子を見たいと思います。

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