阪神・淡路大震災でも『耐震等級3レベル』の木造住宅の被害は全くありませんでしたね。しかし『火災』でたくさんの住宅が燃えて無くなってしまいました。東日本大震災でも『地震』による木造住宅の被害はありませんでした。『津波』でしたね。
今時の木造住宅は地震でビクともしない程の構造計算でつくられていますから、その『強度』は地震には負けません。しかし大きな津波には鉄骨でもコンクリートでも木造でもひとたまりもありませんでした。これは建物の構造の問題ではなく津波の来る湾岸地帯には10m以上の避難できる建物が必要だということです。私の開発した『津波防災マンション』が鈴鹿市さんの避難指定マンションに認定されましたが、やはり津波が来る湾岸エリアにはたくさんの防災マンションを建てることしか方法はありません。
さて今、盛んに『燃えない木の家』が研究されています。世界的にはオーストリア、ドイツ、イタリア、イギリスなどでは7階建てのマンションやホテルが『木造』でつくられているのです。ドイツの幼稚園は1階建てですが、この『燃えない木』を使った場合は2階建てが許可されているほどです。
『燃えない木』という言い方は間違いでしょうか。1時間耐火(最上階から数えて4階建てまで建築可能)、2時間耐火(最上階から数えて14階まで建築可能)ですが、燃えてもいいのですが、消防車が来る間や建物内にいる人が避難する間は(1時間や2時間)建物が壊れなければいいんですね。
カナダでも建設が始まっていますが、やっと日本でも注目されはじめました。テレビニュースで見ましたが、安倍首相が平成28年を目処に日本のこの燃えない木の構造計算の基準を作ると言っていました。そして2020年の東京オリンピックまでに日本の森林資源を利用して、この燃えない木造施設をたくさん建設したいと政府は計画している様子ですね。
私は『住宅屋さん』ですが、火事で燃えない木造の家は是非ともつくってみたいものです。これは『秘密』ですが...私はもう実験を始めていますし、今月はドイツで『燃えない木』の打合わせに入っています。もしかして私が日本で一番早く『燃えない木造住宅』を販売することになるかもしれませんね。日本の特許も、アメリカもヨーロッパも特許を出す予定ですから、ご期待ください。
地震に強く燃えない住宅で、木の香りや木目のやさしさに癒されて生活することは、もう最高ですね。しかし鉄やコンクリートが木より丈夫だと、ほとんどの人が思い違いをしています。質量(重さ)が同じであれば『木材』が一番強度があって、燃えにくいんですね。『鉄骨』や『コンクリート』は『木材』よりずっと重くしないと同じ強度や耐火にはなりません。目からウロコですがそれはもう10年以上前からヨーロッパではホテルやマンションの7階建ての建築で証明されているんですね。やっと日本も気が付いて動き出したということでしょうか。ちょっと遅れています。
日本は地震大国ですから絶対に『耐震住宅』は必要です。そして次に日本は森林資源に恵まれた『木の文化』ですから『木造住宅』は人気ナンバーワンですね。そして今回もし『耐火住宅』が完成できれば、私の仕事もそろそろ終りでしょうか...。少し淋しい気もしますがこの『耐火住宅』を完成させるまでは私は死ねません。そしてデザイン性のいい、住みやすくて、安全で安心な住まいをつくって、ヨーロッパやアメリカに負けない『住宅』になれば私の『人生目標』も達成ということでしょうか...。もう少し頑張ります。はい。