【住宅】(1)『家の哲学』と (2)『家の正義』その1

①家の哲学ってなんか難しそうな話しですね...。私はもう20年以上前にこの『家の哲学』を文章にして社員さん全員に配布しました。

 

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『家の哲学』

「家」とは世の中で一番大切なもの。

「家」とは人生においてもっともかけがえのないもの。

「家」とは家族をはぐくむもの、家族のきずなを育てるもの。

「家」とは家族の幸せな生活と、生きる喜びを与えてくれるもの。

私達の「家づくり」とは、世の中で、

人間の生活の中でもっとも大切なものをつくる仕事であり、

それは「神聖な仕事」である。私達はこの「家の哲学」を実現する。

●生まれる生命・育つ力・育む命、「巣立つ家」

●家族のきずな・生きる喜び・楽しみ、「喜ぶ家」

●興味・生きがい・趣味、「楽しみの家」

●一人・みんな・笑い・話す、「共感する家」

●悲しみをささえ・苦しみを共に苦しむ、「守る家」

●慶び・祭事・出発・発展、「みまもる家」

●男・女・感情・情動・肉体、「精神の住む家」

●親子・兄弟・対立・和解・成長、「安心の家」

●私だけ・老人・若者・違う人達、「個性ある家」

●劣等感・恥・虚栄・嫉妬、「つつむ家」

●結婚・夫婦・妊娠・赤ちゃん、「生まれる家」

●去る人・残る人・忘れられない人、「永遠の家」

●喜び・希望・挫折・苦しみ、「ささえる家」

●食事・テレビ・お風呂・トイレ・団欒、「眠る家」

●寒い・暑い・雨・風・台風・自然、「防ぐ家」

●プライド・達成・成功・自信、「誇る家」

●土・水・風・空気・温度・湿度、「健康の家」

●知恵・無知・失敗・同じ間違い、「めざめる家」

●伝統・性格・体格・心・おもいやり、「引き継ぐ家」

●支払い・ローン・借金・財産・不動産、「価値の家」

●仕事・働き・勉強・訓練、「学習する家」

●神・仏・祖先・祖父・祖母・霊、「祈る家」

●柱・基礎・壁・すじかい・屋根、「丈夫な家」

●インテリア・ガーデニング・設備・空調、「快適な家」

●労働・疲労・気力・休養、「労働再生産の家」

●我慢・辛抱・努力・忍耐、「頑張る家」

●憎しみ・不安・不信・怒り・誤解、「癒す家」

●思い出・出来事・ハプニング・あの時・この時、「記憶する家」

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別に何も難しいことは書いてありませんね。なんか変なことばかり書いてあって、いったいこれは何なんだ...?私の言いたい気持ちがお分かりいただけないと、私も辛いのですが...。まあ一言で言って、今住んで居る所が『一戸建』でも『アパート』でも『高齢者住宅』でもいいのですが、住んでいる所は自分にとってはかけがえのない場所であると言うこと。そして一人一人のお気持ちの中には、それぞれの住まいに対する強い思い入れがありますよ。と私は言いたかったんですね。

 

私は今でもその時その時によって違うのですが、この自分で書いた文章の2つか3つを読むと涙が出てしまうんですね...。悲しみをささえ苦しみを共に苦しむ『守る家』。喜び希望挫折苦しみ『ささえる家』。伝統性格体格心おもいやり『引き継ぐ家』。憎しみ不安不信怒り誤解『癒す家』...。

 

私は今少し苦しいことが多いので、これらの言葉に反応しています。家族で住んでいても、お一人で住んでいても、住まいはずっといつもあなたを見守っているんですね。私は本当にそう感じているので『家づくりの仕事』をもの凄く大切な仕事として一生懸命にしているのですが、ご理解いただけますでしょうか。

 

生まれる生命育つ力育む命『巣立つ家』。家族のきずな生きる喜び楽しみ『喜ぶ家』。結婚夫婦妊娠赤ちゃん『生まれる家』。一人みんな笑い話す『共感する家』。思い出出来事ハプニングあの時この時『記憶する家』...。

 

どうでしょうか何かお感じになられることはありますか...。神棚や仏壇には皆さんが手を合わせますが、時々は今自分の住んでいる部屋や家に手を合わせてみてはいかがでしょうか。『この部屋』に、『この家』に感謝することによってきっと必ずあなたは『家の哲学』を感じて、住まいの大切さを実感されると思います。それ程、『家とは世の中で一番大切なもの』だと私は考えているんですね。

 

私にとっての家の記憶は4歳からです。戦後10年頃の『木造のガタガタの住宅』でした。そこで伊勢湾台風を経験したのが小学校2年生。避難が遅れて逃げられずに居るところへ土壁が崩れてきて、うちのおばあちゃんが『私はここで死ぬー』なんて騒いでいましたね。6年生の頃に自分で『勉強部屋』を納屋の中に作って、移り住みました。高校大学の私の家は『寮生活』でしたから、一部屋で2段ベッドに3、4人の生活を7年間体験して、22歳で就職してからは『木賃アパート』の2階の一室。トイレ共同で風呂無しですね。

 

23歳で結婚して、自宅に増築した木造2階の『6帖一間』の生活。しかし天国のような楽しい生活でした。28歳で『鉄骨3階建て』。38歳で『大型輸入住宅』。今は東京や名古屋の『マンション』、ハワイやオーストラリアの『大型コンドミニアム』にも生活の幅が広がっています。もうすぐマレーシアやフィリピンにも私の住宅が完成しますので楽しみです。あとはドバイ、ロス、ニューヨークにも住んでみたいものです。

 

余計なことまで書いてしまいましたが、私の住宅への思い入れはやはり異常ですね。家族にも『もう付いていけない』と言われてしまっています。完全に病気です。しかし私にとっては人の家でも私の家でも、家とは世の中で一番大切なもの...です。これからもその心を忘れずに『家づくり』に励みたいものです。

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